維新が内閣入り
高市総理へ与党北陸新幹線PTの取りまとめ提言書を提出いたしました
今回の改造内閣の最大の目玉は、日本維新の会が閣内協力をすることになったことでしょう。元枚方市長の中司衆議院議員を大臣に任命し、副大臣や政務官も維新の議員を登用しました。維新との連立が一段と強固になったわけですが、私は正直、非常に心配しています。
報道でご存知のように、中司氏は、2007年7月31日競売入札妨害罪で工事を受注した大林組の役員らとともに大阪地検特捜部に逮捕、起訴され、同年9月10日に辞職しました。2009年4月28日、大阪地方裁判所で懲役1年6か月、執行猶予3年(求刑懲役2年)の有罪判決を受けました。中司氏は即日控訴しましたが、2010年11月に大阪高裁で控訴が棄却され、2013年2月に最高裁で上告が棄却され有罪が確定しています。
この様な人物が大臣に相応しいのか、他に人物が維新にはいないのか。誰もが疑問に思うはずです。中司氏は冤罪を主張していますが、最近の報道では、中司氏自身もお金を受け取り、本当は買収事件だったという証言まで出ています。この人事を国民が納得するのでしょうか。私は非常に心配しています。
簗大臣の問題
報道によると2026年5月、地元の自民党支部総会後の非公開の懇親会で、選挙で対立候補を支援した栃木県那須烏山市と那珂川町の令和8年度の道路予算を大幅にカットしたと発言しました。 この発言は、自身の予算を動かす力を誇示し、与党を支持しないと予算を削られて当然だという趣旨の受け取られ方をしたため、恫喝だと強い批判を浴びました。
当初は取材にも応じていませんでしたが、2026年10月5日、国会内で取材に応じ、「不徳の致すところであり、深く反省している」と述べて発言を撤回・謝罪しましたが、議員辞職および農林水産大臣の辞任については否定しています。 高市早苗総理大臣も簗氏の更迭を否定し、「とにかく働いて仕事で返せ」と伝えて続投させる方針を示しています。
このことを受け、野党側は強く反発しています。特に与党より野党の議席が多い参議院においては、問責決議案が出されれば、可決される可能性が大きいです。そうなれば、参議院として大臣と認めないと決議したことになり、簗大臣が所管する農水省関連の委員会は開かれなくなり、国会空転は必至です。
この事態を打開するには、大臣の更迭以外ないでしょう。しかし、もしそうなれば、そもそも何故その様な人物を大臣に任命したのかという責任を総理が問われることは必至です。ですから、普通はそういう事態になる前に交代させておくものなのですが、どうなることやら心配しております。
さて、この原稿を書いた後、簗大臣は辞職しました。これは事実上の更迭ですが、今後の国会審議は防戦一方になることは必至です。
石井参議院幹事長の更迭
高市総理へ自民党財政改革検討本部からの提言書をお渡しさせていただきました
私は、10月8日の党の参院議員総会で、松山政司参院会長に石井準一前参院幹事長の交代の理由について説明を求め、「なぜ、石井幹事長だけ解任させられたのか。何か瑕疵(かし)があったのか」と訴えました。松山会長からは全く説明はなく、ただ「人事ですから」と答えるだけでした。残念ながらこれでは全く納得出来ません。
そもそもこの人事の背景については、2026年の予算審議において、当初は参議院でも年度内成立は可能と石井氏が説明していたのに、野党への配慮を優先した石井氏の調整により当初予算の年度内成立が見送られ、暫定予算の編成に追い込まれたことに対し、高市首相が強い不満と怒りを抱いたとマスコミでは報じられていますが、これは全くの濡れ衣です。
これは元々、衆議院で与野党が協調して予算案を成立させてくれれば、という条件付きの話です。現実には、野党側が反発して、与党だけの賛成多数で予算が衆院では可決されたため、野党が多数の参院では、当然ながら野党の賛同を得るためには衆院以上の配慮をしなければ可決できません。私も長らく参議院の国会対策委員会で責任ある役職を歴任してきましたが、これは国対の現場を知る者なら誰にでも分かる常識です。高市総理が分からないはずは無い、と私は信じています。
また、石井氏が2026年4月に新たなグループを結成したことなどから、官邸側が「反高市」の動きではないかと不信感を強めていたとの報道もありますが、これも完全な誤解です。これについては、高市総理にも報告いたしましたが、事実は、派閥がなくなり参院の意思疎通がしにくくなったことの補填手段として、私の提言を受けて結成された懇親会で、反高市などでは有り得ません。
この人事の真相は未だ分かりませんが、事実として、参院内での不信感が高まったのは間違いありません。参院の人事権は本来、参院議員会長(松山政司氏)に一任しておりますから、会長の専権事項であり、石井氏が外され、後任には青木一彦氏が充てられることは制度上は可能です。しかし、会長に人事権が一任されているのは、自民党参院会長が党所属の参院議員の選挙で選ばれるため、その意思決定が所属議員の総意の下にあるからです。従って、人事は参院の総意に基づくものであることが大前提なのです。にもかかわらず、それと違う決定をすることは言うに及ばず、説明責任をも果たさないというのでは、会長自らが、自分の権威を否定するものであります。
この後、野党が反対する消費税法案や定数削減の法案が審議されます。ただでさえ野党多数の参院ですが、そこに簗大臣の問題などが加わり、審議の難航は必至です。参院の野党対策の司令塔を失い、どういう結果になるのかと私は大変心配しています。
国会の行方
いずれにせよ衆院では圧倒的な多数があるため、審議は順調に進んでいくでしょう。問題は参院です。消費税法や定数削減法などではかなりの難航が予想されます。参院では野党多数で否決されても、衆院で2/3以上の賛成多数で再議決すれば法案は成立可能だという人がいます。しかし、これは全くの暴論です。これを一旦やってしまうと野党側の反発はもとより、参院自民党からも大反発があるのは必至です。
特に大切なポイントは、衆院は自民党だけで定数の2/3を超える圧倒的多数を持っていますが、参院では維新を足しても4議席が足らないという事実です。
そしてこの状態は、再来年2028年の参院選挙で与党が勝たない限り解消できないのです。ところが、再来年改選を迎える方々は、自民党単独で改選125議席の過半数の63議席を獲得し、大勝した選挙の議員なのです。一方で、昨年の私の選挙では39人しか当選していません。こうした事実を踏まえると、再来年の参院選挙で勝っても自民党が過半数を得る可能性はかなり低いと思います。2028年と2031年の参院選挙で連続して大勝しない限り、自民党の単独での参院多数は極めて難しいと言わざるを得ません。
つまり、長期的に参議院の与党少数状態が、今の連立内閣では続くということです。
このことを無視して、2/3の再可決を連発すれば国会は大混乱に陥ります。
連立の追加もしくは変更
京都経営者協会青年部会の皆さんと一緒に片山さつき財務大臣との懇談会
以上述べてきた様に、この先の国会審議は全く不透明です。皆様方に知っておいていただきたいのは、高市政権は今年の総選挙で圧勝し、高い支持率が続いていますが、現実の政局は参院の少数状態がかなり長い間続いていくということです。これを解消するには、連立パートナーの追加もしくは変更以外ありません。
そして、これは来年の自民党総裁選挙にも影響を与えます。自民党総裁の任期は通常3年間ですが、高市総裁は石破総裁の辞任により総裁に選ばれたためその任期は石破総裁の任期を引き継ぐことになり、来年の10月には総裁選を実施しなければなりません。高市政権にとっては、無投票再選が最善策ですが、参院の審議次第では政局が混乱して、対立候補が出る可能性が出てきます。その時のキーワードは、「連立の組み換え」になるかも知れません。
北陸新幹線を始め、社会インフラを充実させるためにも、国債発行が必要です。積極財政と言うのは、税収以上の予算を執行することを意味しますが、その財源は国債で全く問題ないのです。
積極財政を掲げる高市政権が誕生したからには、これを継続させるためにも、総理の賢明なご判断に期待します。
樋のひと雫
-アンデス残照-
羅生門の樋
今年の「赤馬紅羊」は米国のベネズエラ侵攻によって明けました。僅か2時間の武力侵攻でチャベス以来続いてきた反米左派政権が歴史の幕を閉じました。赤馬紅羊の年は水害や冷害の天候異変、徽・欽宗の二帝北狩などの王朝交代等動乱政変の年と云われ、世情は兵乱や飢餓、天変地異に苦しんで来ました。
米政権が代わって直ぐにパナマ運河の両岸から中国権益を追い出し、運航管理を米国の管理下に戻した直後に、パナマは中国の一帯一路から離脱しました。その翌年のベネズエラ侵攻ですから、仲間内では「さすが中華4千年の言い伝え、次はキューバか。」と半ば期待が膨らみました。切れ者の国務長官はキューバ難民の子どもで役者も舞台も揃っている、脚本も分かり易い、将に一本の映画を見るが如しの情勢です。しかし、矛先はイランに向かいました。
南米におけるベネズエラの地位は独特なものが有ります。原油埋蔵量1位の経済力を背景に当時の大統領チャベスはボリバル諸国の反米左派政権誕生を支援しました。チャベスが心酔していたカストロ・キューバは軍事や医学、教育の支援と役割を分担し2国は中南米での反米政権樹立を画策して来ました。ボリビアの教育省に勤務していた時にキューバ支援の「識字教育」が始まり、先住民の老人たちに文字を教えていました。尤も、彼らの背景には中国の資源簒奪と影響力拡大の意図が有ったのは明らかです、今ほど中国の中南米進出もあからさまではなく貿易の拡大が主だったと思います。20数年前初めてハバナを訪問した際に友好の印として中華街の入り口に石造りの中華門があり、横浜の中華街かと思える様でした。'13にチャベスが死にマドゥーロになると国の統治が民衆の貧困対策から自己の権力保身が中心となり、中継国家として麻薬が取り沙汰されるようにもなりました。此の頃から中国の両国への進出が軍事を伴うようになり、防空兵器やミサイル供与も始まっています。言わば、中南米の反米左派の支援はベネズエラとキューバが経済と軍事の両輪となって展開し、その背後に中国が居るという構図になります。
さてその中国ですが、さすが赤馬紅羊の本家です。今年の「5中全会」来年の「全人代」と政争は真っ只中です。憲法改定まで行った国家主席の4選がすんなり決まるはずも無く、10月の「5中全会」に向けて各派の駆け引きが激しくなっています。「主席責任制を踏み躙った」と云うよく分からない理由で盟友の軍トップ2人を粛清しても5大戦区は支持を沈黙をするなど、3選の根拠であった台湾侵攻も霞んでいます。国の債務が地方債務を含めると合計が2京円を超えているとも言われ、30年前に遡って税の徴収の精査も始めるとか。夏には広西省の水害で1万人以上が死んだとか、チベットでの氷河崩落では「500人超の行方不明」は被害を少なく見せていると言われたりと天変地異も現実になって来ました。米国のイラン侵攻では中国の防空システムが全く役に立たなかったことで、軍事技術の著名な開発責任者や技術官僚も多くが粛清されました。曽慶紅の党保守派や紅2代官2代、温家宝の共青団派の巻き返しなど、広東閥や山東閥といった側近すら粛清する現主席に勝ち目は有るのでしょうか。中国の赤馬紅羊は、これからが本番です。