小沢元代表離党
三年前、民主党政権を樹立した小沢元代表が、衆参合わせて50名にもなる国会議員を引き連れて民主党を離党しました。小沢元代表は「今の民主党は政権交代をした民主党ではない。結党の精神に戻るべき」と離党会見で表明しましたが、これこそ笑止千万です。
国民の生活第一を掲げはしたものの、結局は選挙目当てのバラマキ政策で国民を騙し、赤字国債の増発で財政を悪化させ、挙句の果てに消費増税を打ち出した民主党に、戻るべき原点など有りはしません。政権を取ることだけを目的に、政界を掻き回してきた小沢元代表に耳を傾ける国民は、もう誰もいないでしょう。
民主党には、人材も政策も無かった
――参議院予算委員会(6月13日)にて中国スパイ事件ならびに丹羽宇一郎駐中国大使の発言について追及しました――
これは、小沢元代表に限ったことではありません。元々、民主党は政権を取ることだけを目的にした集団です。理念も政策も最初からまともに議論してきた訳では有りません。有権者に対する受けを狙っただけの出鱈目が、マニュフェストとして掲げられていただけです。
丁度、設立して間もない会社が、製品の開発もしていないのにカタログだけを展示して、高配当を謳って出資を募るようなものです。
実社会なら詐欺的商法として逮捕されてしまいます。これが民主党の実態だったのです。いくら学歴があろうが、いくら見栄えが良く人気があろうが、詐欺師は詐欺師です。もうこれ以上騙されないようにお願いします。
――TOKYO MXTV「西部邁ゼミナール」に谷垣総裁とともに出演しました――
消費増税と社会保障一体改革法
この法律は、毎年一兆円以上増える社会保障費を賄うためのものです。我々の世代の医療、介護、年金を我々が負担するのは当然のことです。このことの必要性を自民党は以前から主張してきましたが、民主党は「その必要は無い、無駄を省けば更に、子ども手当てや高速道路の無料化まで出来る」と主張してきたのです。これが出鱈目であったことが今回改めて明らかになりました。更に、最低保障年金、年金の一元化、後期高齢者保険制度廃止など前回の選挙で彼らが主張してきたことも、全て出来ないことが明らかになったのです。
デフレ対策のためには政権奪還が必要
デフレとは物価が継続的に下がる事を言います。これは、企業にとっては売り上げの減少を意味します。従って、売り上げが減り続ける状態では、企業は投資をしたくないのです。このため、日銀がいくら金利を下げ、民間銀行にどれだけ資金供給をしようとも、デフレ下では民間企業は投資を行いません。この様に企業の経済活動が低下した結果、GDP (国内総生産)が低下し、税収も落ち込んだのです。従って、増税の前にまずデフレから脱却する必要があります。
目の前にお金をぶら下げても、民間企業が借りなければ意味がありません。金融政策には限界があるのです。そこで為すべきは、政府による財政出動なのです。民間企業の投資意欲が少ないこの時こそ、政府が積極的に投資をしなければなりません。特に震災復興や防災のための支出、東京一極集中を排除して地域の均衡ある発展を促すための支出などは、誰も反対をしないでしょう。こうした支出を列島強靭化と称して、十年間で200兆円位の投資をすべきと自民党は主張しています。これだけの投資をすれば日本の経済はデフレから一挙に立ち直ることができます。
そのための財源は建設国債で賄えば良いのです。建設国債は子や孫のために資産を残すための借り入れですから、赤字国債のような借金の付け回しではありません。またこうした投資により、GDPが増え税収が自然増加しますから、財政が悪くなることもありません。
しかし、これを実行するには予算編成権と予算執行権を持たねばなりません。つまり、政権を奪還しなければ出来ないのです。
日本の国債は破綻しない
去る5月16日、日銀による民間銀行からの国債買い入れ(買いオペ)が不調に終わりました。日銀の6,000億の買い入れ申し出に対して、民間銀行は4,800億程しか応じなかったためです。民間銀行は、国債を保有していれば、1%弱の利息を得ることが出来ます。日銀に国債を売れば日銀当座預金に入金されますが、これには0.1%しか利息がつきません。そのお金を民間企業に融資をして、1%以上の利息を稼ぐことが出来れば得ですが、今はその需要がないのです。国債を持っている方が有利であるために彼らは売らなかったのです。つまり市場が国債を要求しているのです。国債の買い手がないのではなくて国債の売り手がいない状態なのです。これは、ギリシャの国債とは逆さまの状態なのです。今ほど、国債を有利に発行できる時はないのです。
私はこの事実を国会で質問しました。ところがこうした事実をマスコミは全く報道しておりません。国民に正しい情報が伝わっていないのです。
「増税の前にやるべき事がある」は間違っている
小沢氏や大阪維新の会などは盛んに、増税の前にやるべきことがあると言っています。国民に負担を求める前に、もっと無駄を削減せよ、公務員を減らせなどと言っています。一見正しそうに聞こえますが、これは全く間違っています。
まず第一に、国民が負担した税金は社会保障費などで全て国民に還元されるのです。誰かが得をするわけではありません。無駄削減も同じことを民主党が言いましたが、一体いくら出てきたのでしょう。また、同じ手で国民を騙せると思っているのでしょうか。出来るなら具体的に示してもらいたいものです。
公務員の数は英米仏の半分以下
彼らは、公務員の数や給与を削減すると言います。しかし、日本の公務員の数は世界でも格段に少ないのです。国、地方、自衛隊、国立大学など政府系の独立行政法人等の職員も含めた公務員の数は、日本では国民千人につき30名程度です。他の先進国で、アメリカやイギリスやフランスなどでは、千人につき70名から80名を超えています。日本は少なすぎるくらいで、これ以上の削減は国家の破壊につながります。公務員の給与も民間同業種に比べて10%近く削減をしています。つまり、公務員叩きは選挙目当ての出鱈目なのです。
無駄削減はデフレを加速させる
自民党は、増税の前に列島強靭化などの積極財政を行い、デフレを退治すると主張しています。民主党や小沢新党、大阪維新の会などは、相変わらずの無駄削減です。デフレで民間企業が投資を控えている時に政府が支出を減らせば、間違いなくデフレは加速します。GDPは落ち込み、税収も激減し、国民経済は破綻してしまいます。
民主党の失政を総括
民主党が、出鱈目のマニフェストで国民を騙して選挙をしたことが、全ての失政の始まりです。子ども手当も高速道路の無料化も、財源のない絵空事だったのです。しかし、何故、彼らはそうした事をマニュフェストに掲げたのでしょうか。野田総理はその当時は分からなかった、自分たちは未熟だったと詫び、消費増税をお願いしています。小沢元代表はマニュフェストの間違いを認めず、消費増税に反対しています。どちらが正しいのでしょうか。実は、どちらも間違っているのです。
野田総理の言う、民主党は与党経験がなく未熟だったという言葉は、ペテン師の言い訳に過ぎません。彼らが、財源を無視した政策を言えるのは、未熟ではなく不道徳だからです。嘘をつくことが平気でなければ、ここまでの出鱈目が言えるはずがありません。それを未熟だったと言うこと自体、責任逃れであり、彼らが本当は何も反省していないことを証明しています。
小沢元代表に至っては、論外です。実際に政権をとっても財源が見つからず実行できなかったことを、もう一度公約に掲げるとは、厚顔無恥も甚だしい。国民を舐めきっています。
事実を報じないマスコミの責任
――西田昌司国政報告会2012を開催しました。会場一杯の皆様にご来場いただき誠にありがとうございました――
マスコミは、民主党が出鱈目のマニフェストを掲げていたにもかかわらず、一度民主党に任せてみてはどうかと政権交代を煽りました。その結果が、今日の日本の無惨な姿です。その反省もないまま、今度は、何の実績もない大阪維新の会の言動ばかりを取り上げ、国民に期待を持たせようとしています。
新たなスターを育て部数や視聴率が上がれば、マスコミの商売としては成り立つかもしれません。それがタレントなら良いでしょう。しかし、それは政治の世界では通用しないのです。政治家をスターにして囃し立てれば、マスコミの商売は良いかも知れませんが、国は滅んでしまいます。政治の不道徳の影には、こうしたマスコミの出鱈目がその一因となっています。私は、こうした事実を報じないマスコミとも断固戦っていく覚悟です。
今後とも、ご支援をよろしくお願い致します。暑さが厳しくなりますが、皆様ご自愛ください。
瓦の独り言
-1次産業に学ぶこと-
羅生門の瓦
無農薬、稲木による天日乾燥で稲つくりをして3年目になります。初めは田の神様も味方してくれてか、それなりに収穫がありました。しかし、昨年は雑草の猛攻撃。それにいもち病(今年になって分かったのだが・・・)の発生。稲木に刈り取った稲を三段干にしたら、一番下は鹿さんが引っ張っていきました。
みるに見かねて、近郷の稲つくりのベテランがアドバイスに・・・。今年はその方の指示に従い、最小限の農薬も使うことにしました。土起し、代かき、田植えと1週間ごとに指示をいただき、今は田の水の管理をしています。
そこで瓦が気づいたことは、「稲は水さえやっておけば勝手に米が出来る」は大きな間違いで(鳥羽のお百姓さんが聞かれた笑える話だが・・・)、事細かな工程管理がなされています。これは瓦が知っている蚕の繭が出来るまでと、繭から生糸が生産されるまでと同じです。農業という1次産業にも、生産の工程管理(瓦は2次産業に身をおいていたことがあるので、ついついこの言葉を使ってしまいます。)が必要で、これが日本の米作りを支えていたのだなあ、と再認識いたしました。
しかし、農業という1次産業では「自然の営み」に従うことが大前提です。「自然に合わせてやらないと仕事にならない。木をひとつ動かすにも時期がある。自然の営みを無視しては出来ない。」
と佐野藤右衛門さんも「日本人の忘れもの」(京都新聞:平成24年6月10日朝刊)で述べておられます。 ところが、瓦は2次産業に身を置いていたものだから、人間の力で何とかなる。工程管理、スケジュールは人間が組んだものだから、発想の転換で何とでもなる、と人間の力を過信していました。
今、農業という1次産業をかじってみて、改めて自然の営みの大きな力を感じました。人間は台風を予知できても、台風を避けることは出来ないように。自然を相手にしていては、杓子定規に事は運びません。また理屈もこねられません。ある意味、ケセラセラ、なる様になるは・・・。と、考えなければならないことが多々あることを、米つくりが教えてくれました。
今、3次産業の連中が、1次産業にスポットを当てて「1次×2次×3次=6次産業」が見込まれるといっています。恐らく、彼らには自然の営みは計算に入っておらず、人間の叡智を持ってすれば何でも出来ると思っているのでは。この21世紀は人間が自然を支配する時代だと思い上がっているのでは・・・。でも、この数式で、1次産業が倒れたら、0次産業になってしまい。この数式は日本の産業構造を予言しているのでは。1次産業を捨て食料自給率がゼロになってしまったら・・・。と、思っているのは瓦一人では無いはずです。