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第105号

2021年01月01日発行

国難襲来!今こそ正気を保て!

参議院議員西田昌司

国難襲来す

 昨年世界中を襲ったコロナ禍ですが、日本においても第3波に突入しています。政府はこれに備えて第3次の補正予算を策定していますが、東京や北海道、大阪では感染者数が増えて、医療崩壊が危惧されています。そのため、外出自粛が呼びかけられています。しかしそれは、経済活動を制限してしまいますから、所得が減り先行き不安になり精神的に落ち込む人も増えます。このことが結果的に多くの命を奪うことになりかねません。まさに国難の襲来です。
 この国難を乗り越えるヒントとして、幕末の水戸藩士で儒学者の藤田東湖の言葉を紹介します。「国難襲来す 国家の大事といえども深憂するに足らず 深憂とすべきは人心の正気の足らざるにあり」
これは、黒船による開国要求により国中が揺れ動いた幕末の時代に東湖が弟子に示した言葉です。
 黒船の到来は確かに国家の大事だが、ジタバタするんじゃない。本当に心配すべきは、人身にこれを乗り越えようとする気力や気迫が欠けることだと、東湖は弟子たちに諭したのです。
 連日、ニュースやワイドショーなどで、コロナ禍の危機感を煽るような報道が相次いでいます。国民が不安になるのも当然です。しかし、この一年でわかってきたこともあります。まず、新型コロナウィルスは、高齢者や糖尿病などの持病をお持ちの方には重症化のリスクがありますが、それ以外の方には感染しても無症状か軽症状で収まるということです。
 また、感染の最大の原因は、飛沫によるものです。会話やくしゃみなどをしない限り、むやみに飛散するものではありません。マスクをすれば飛沫の大部分は抑えることができます。手洗いの励行と合わせれば、感染のリスクはかなり抑えることができるのです。
 会食もそれ自体で感染する事はありません。小さな声で会話をしたり、写真に示したような飛沫を抑える工夫をすれば、感染リスクはかなり抑えられるのです。また、重症化の原因が免疫の暴走であり、免疫抑制剤で重症化が抑えられることもわかってきました。
 過剰に反応するのではなく、正しく恐れて楽しく暮らし、コロナ禍を乗り越えていきましょう。

作り方をYouTube西田昌司チャンネルで公開しています

度肝を抜かれたテスラのEV

宇治市長選挙で自民党京都府連が推薦する松村あつこ候補が見事当選されました

 政府は、10年後には新車の販売をEV(電気自動車)しか認めないと言う方針を発表しました。わが国では、エコカーと言えばハイブリッドが主流でEVはあまり見かけませんが、海外ではすでにEVにシフトしているのです。環境先進国のヨーロッパは勿論のこと、世界最大の自動車市場である中国でもいち早くEVシフトに着手しているのです。
 ところで、EVはエコカーであるには間違いないが、車としての性能では未だガソリン車の方が上なのではないかとほとんどの人が思っています。実は私もそのひとりでしたが、それが誤りであることを思い知りました。実は、私の後援会の方が、アメリカのEVベンチャー、テスラのEVをお持ちになっておられ、試乗させていただいたのです。ハンドルを握りアクセルを踏んだ瞬間に、私は度肝を抜かれました。
 先ず、その加速の凄まじさです。ガソリン車ではとても体験できない圧倒的な加速能力です。その実力はスーパーカー以上と言っても過言ではないでしょう。さらにモーター駆動ですので、振動も音も全くありません。抜群の静粛性です。そして、バッテリーが床下に配置されているため、低重心で重量バランスもよく非常に安定した運動性を有しています。しかも、大容量のバッテリーを搭載しているため、航続距離も500キロ以上とガソリン車並みの長距離ドライブが可能です。要するに、テスラは車としての性能が完全にガソリン車を上回っているのです。
 それだけではありません。テスラ最大の特徴は、車自体が常時インターネットとつながっていると言うことです。このことにより、世界中のテスラ車の運転状況が常にテスラ社に送信され、その膨大なデータを分析することにより、完全な自動運転を行う技術とノウハウを獲得し、日々それを更新しているのです。車を買った後もソフトウェアが更新されるため、ユーザーは常に最新性能のEVを運転できるのです。こうした仕組みのお陰で、テスラは既に完全自動運転をアメリカの一部のユーザーに提供しているのです。夢の様な話がもう既に現実になっているのです。

自動車業界は現実を知るべき

 しかし、こうした事実を殆どの日本人は知りません。それは、マスコミがその事実を全く報じないからです。言うまでもなく、自動車産業は日本の基幹産業です。自動車関連産業の就業人口は542万人にのぼり、文字通り日本の屋台骨なのです。そのトップはトヨタです。世界に先駆けてハイブリッド車を開発し、低燃費低公害と高性能を売り物に、世界一の自動車会社に成長しました。しかし、テスラのEVの実力はその分野においてもハイブリッドを完全に圧倒しています。
これに対抗できる様なEVがいまだに日本では開発されません。もっとも、日産は世界最初の量産型EVであるリーフを発売していますし、来年には、アリアという自動運転も含め唯一テスラと対抗できるEVを発売する予定ですが、肝心のトヨタからはその様な発表が有りません。
 ハイブリッドはエンジンで発電した電気をバッテリーで蓄え、モーター又はモーターとエンジンで駆動する仕組みです。一方でEVはバッテリーで蓄えた電気でモーターを駆動させる仕組みです。圧倒的にEVの方が簡単な仕組みで、部品点数もハイブリッド車やガソリン車より4割少ないと言われています。
 このため、既存の自動車メーカーにすれば、EVが普及するほど自らの系列の部品メーカーの経営に打撃が加えられますから、EVの普及は経営の屋台骨を揺るがすものとなります。純粋なEVよりハイブリッド車をトヨタなどが優先して開発してきたのはこのためです。しかし、化石燃料の使用制限は世界的な流れで有り、もはや止めようが有りません。いくら、性能面でEVと引けを取らないと主張しても、国際的ルールがガソリンの使用は認めないと変更されればどうしようもありません。ハイブリッドだけでは車を売ることができなくなる日がもうそこに来ているのです。

燃料電池や水素社会はEV化とは別の技術

 トヨタは世界に先駆けて燃料電池車を開発し、水素社会の実現を提唱しています。以前は、一般にEVは航続距離が200km位でガソリン車に比べて短いのが難点とされてきました。それに比して燃料電池車は航続距離が500kmと非常に長く、一般のEVを圧倒しています。したがって、社会がEV化される時には燃料電池が主流となるだろうとトヨタは予想していたのです。ところが、現実にテスラなどはリチウムイオンバッテリーの温度管理を強化することにより、EVでも500km以上の航続が既に可能となっています。航続距離が長いことが燃料電池車の利点ですが、既にその優位性は失われているのです。
 更に、燃料電池車に水素を補給するためには水素ステーションを全国に整備しなければなりませんが、その設置費用は非常に高額で一件当たり4~5億円とも言われています。そこにタンクローリーで水素を運搬しなければなりません。一方でEVの充電スタンドは比較的安価に設置でき、電力の供給は電線をつなぐだけで可能です。この様に、水素供給と電力供給のためのインフラ整備の面においても圧倒的にEVの方が勝っているのです。

スマホや液晶の二の舞になるな

 元々、EVの要となるリチウムイオンバッテリーは日本で開発されたものです。また自動運転の元になるカーナビも日本が世界に先駆けて開発したものです。こうした技術力を持っているにも関わらず、次の時代をしっかり見据え、その時代にふさわしい商品開発を怠った結果、日本はEV後進国になってしまっているのです。
 かつてNTTは世界に先駆けて、iモードというインターネットと接続できる携帯電話を開発したました。世界に誇るべき技術であり、国内でも圧倒的なシェアを持っていました。ところが、アップルがiPhoneと言うインターネットの接続で動画や音楽も自由に配信できる電話の枠を超えた通信機を開発するや、一気にシェアは奪われ、もはやガラケーと呼ばれています。
 シャープはかつては世界最大の液晶メーカーでした。自らが培った液晶技術を長期間にわたり韓国のサムスン電子に提供してきた結果、人件費の安いサムスンに価格競争で敗れ、遂には台湾の鴻海(ホンハイ)精密工業に買収されてしまいました。
 このように、経営判断のミスが企業に致命的な衝撃を与えるのです。これは単に企業の経営問題だけにとどまらず、日本の国力そのものにも影響を及ぼしてしまいます。このままでは、日本の主力産業である自動車産業もスマホと液晶の二の舞を演じることになりかねません。

環境の変化に対応する

 スマホと液晶の失敗から学ぶべき事は、自らの技術に対する自信過剰が、潮流の変化に気づくのを遅れさせたことが致命傷になったと言うことです。世の中は常に変化しています。その変化に対応できなかったものは滅びるしかないのです。史上最強の生物であった恐竜が一瞬にして絶滅したのは、巨大隕石の衝突による環境変化についていけなかったためと言われています。温暖だった気候が一気に氷河期に激変したため、大型爬虫類は環境変化についていけなかったのです。
 幕末の黒船襲来は劇的な環境変化でした。まさに国難の襲来です。しかし先人たちは、自らの国の形を変えることにより、この国難を乗り越えたのです。変化を拒み、頑なに現状維持に拘れば自ら滅んでしまうだけです。

自動車はロボットになる

財務省は「万死に値する!」参議院財政金融委員会(YouTube西田昌司チャンネルでご覧いただけます)

 テスラという黒船の来襲に、今こそ日本の総力を上げて対抗しなければなりません。それは自動車というものを根本的に変えるものとなるでしょう。EVに自動運転が装備されれば、最早自動車では無くロボットと呼ぶべきものになります。
 行き先を伝えれば、ハンドルを握ることもアクセルを踏むことも無く、目的地まで連れて行ってくれる。これは、アメリカでは一部の人にはこうしたソフトウェアが配信されて実現しているのです。これが完全に可能になれば、タクシーはいらなくなります。まさにロボットタクシーの時代になるでしょう。さらに、自家用車でも自分の使わない時間帯はロボットタクシーに貸し出し収益を上げることも可能になるでしょう。
 自動運転EVは、都会より地方の方が親和性があります。地方の方が一戸建てが多いため、自宅で充電できるからです。また、その自宅の屋根に太陽電池パネルを設置すれば、充電も無料になり、災害時の停電にも備えることができます。
 さらに、高齢者の免許証の返還が増えていますが、自動運転になれば、そもそも運転免許が不要になるでしょう。高齢になっても安心して車に乗れるのです。勿論、飲酒運転も問題でなくなります。
 都会の狭い集合住宅に住むより、地方の一軒家で住む方がEVには適しているのです。東京一局集中を排して地方に活力を与えるためにもEV化を進めねばなりません。

瓦の独り言
-1月7日は「人日の節句」-


羅城門の瓦

 新年 明けましておめでとうございます。
 今年も瓦の独り言をよろしくお願いします。「めでたさも ちゅうぐらいなり おらが春」といった心境です。(新型コロナウイルスまん延のため)
 さて、1月7日は「七草粥」の日ですが「人日(じんじつ)」の節句と言って、五節句(1/7:人日の節句 3/3:桃の節句 5/5:菖蒲の節句 7/7:笹の節句 9/9:菊の節句 )の一つです。古代の中国では奇数(陽)の重なる日はめでたい日とされていましたが、陰(偶数)に転じやすいので、邪気を祓う行事が五節句として行われてきました。こうした中国の風習が日本に伝わり、当初は貴族社会で行われていましたが、江戸時代には一般庶民までに広まり式日(現在の祝日)として制定されていました。でも、明治なって旧暦とともに五節句も廃止されましたが、今でも私たちの暮らしの中に息づいています。
 ところで、1月1日ではなく、なぜ、1月7日なのでしょうか。不思議に思っていたら、wikipediaの説明を読んで納得しました。中国の前漢の時代(約2200年前)の占いの書に正月1日に鶏を、2日に狗、3日に羊、4日に猪、5日に牛、6日に馬、7日に人、8日に穀物を占って晴天ならば吉、雨天なら凶の兆しあり、とされていたそうです。ですから7日の「人の日」には邪気を祓うために「七草粥」を食べて、1年の無事を祈ったものだとされています。(諸説は色々とあります)
 この七草粥に入れる野菜(セリ、ナズナ、ゴギョウ、ハコベラ、ホトケノザ、スズナ、ススシロ)は旧暦とはいえ、若菜をつむには寒い季節です。「古今和歌集」の有名な一首に「きみがため 春の野にいでて 若菜つむ わが衣手に 雪はふりつつ」とうたわれ、愛おしい御方のために、寒い中を労力と手間を惜しまぬ気持と、特別な行事であったことがわかります。この七草の野菜は生薬としても重宝され、正月のお酒やごちそうで疲れた胃をいやしてくれる「食べ物」として重宝されています。時によれば「新型コロナウイルス」に打ち勝つ作用があるかもしれません。
 「Go Toトラベル」や「Go To Eat」の先にある「Go To 日常」を早く取り戻すため、われらが中央政界へお送りしている西田昌司参議院議員も七草粥を召し上がられて、邪気を祓われて、奮闘されることを確信しているのは瓦一人だけではないはずです。

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