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第18号

1999年01月01日発行

謹 賀 新 年
今 年 の 抱 負

京都府議会議員西田昌司

1.統一地方選挙(4月11日)に当選すること

 今年は言うまでもなく、統一地方選挙の年です。本年で、平成2年に当選させていただいて以来3期9年になります。4月の選挙にも全力で戦い、皆様方のご支援を得て是非とも当選をと思っております。
 ところで、私が議員にならせていただいてからのこの9年間は、国の内外においても、大変な激動の時代だったと思います。国外においてはソビエトの崩壊という大きな歴史のうねりが、社会主義を終焉させ、冷戦終結をもたらしました。そして、国内においてもいわゆる55年体制といわれた自民党と社会党との対立構造が、支持基盤を失った社会党の崩壊により終わりを告げました。

 今年は言うまでもなく、統一地方選挙の年です。本年で、平成2年に当選させていただいて以来3期9年になります。4月の選挙にも全力で戦い、皆様方のご支援を得て是非とも当選をと思っております。
 ところで、私が議員にならせていただいてからのこの9年間は、国の内外においても、大変な激動の時代だったと思います。国外においてはソビエトの崩壊という大きな歴史のうねりが、社会主義を終焉させ、冷戦終結をもたらしました。そして、国内においてもいわゆる55年体制といわれた自民党と社会党との対立構造が、支持基盤を失った社会党の崩壊により終わりを告げました。

 さて、現在は自民党と自由党が連立するという時代になっています。これは、昨年の衆議院選挙で敗北したことにより、非常に不安定な状態になった政局を少しでも安定させなければ、景気の回復はおろか、政治課題が何一つ解決できないという現状を考えると、背に腹は替えられないぎりぎりの選択であったと思います。しかし、その選択については説明不足の感が否めません。また連立したところで、依然参議院においては過半数に届かないのですから、不安定な政局は今後もしばらくの間続くでしょう。
 バブル経済崩壊以来深刻な不況が、今なお続いております。しかしその一方で不況というものの日本が、世界でも有数の、また日本の歴史の中でも一番豊かな時代を迎えていることは違いありません。
 こうした、日本社会のアンバランスな状態が、私たちになんとも言えない閉塞感をもたらしています。このことは、物質的には豊かになっているにもかかわらず、幸せを感じられない日本人が増えてきたということの証しではないでしょうか。つまり、物質的な豊かさよりも心の豊かさを求める時代に変化をしてきているのだと思うのです。こうした時代にこそ、「国のあり方」 「人のあり方」など、物質的豊かさ以上に大切なものを自分の言葉で国民に語りかけることが、政治には必要であると思っております。これからも生意気ではありますがこの紙面を通して自分の言葉で国を語り、政治を語っていきたいと思っております。そして現実の政策に反映させた結果、皆様方のご支援をいただいて、当選できるように頑張りたいと思います。

2.本の出版「政論」-保守の原点を問う-

(自照社出版1月10日発売1200円)

 今年の1月10日、いよいよ私の本が出版される運びとなりました。私は約4年間にわたりまして毎日街頭遊説を続けてきましたが、この本はその内容をまとめ上げたものです。朝7時半から8時半までの間、近鉄の東寺駅やJRの西大路駅そして京都駅八条口と街頭遊説を続けてきました。しかし朝の通勤時間帯ですので、誰も足を止めて聞いているほど時間をお持ちではありません。街頭遊説中はほとんど無反応な状態ですが、たまに「街頭遊説をやってたのを見たよ。頑張ってるな。」という声をかけていただくことが後であるのです。そういう言葉に支えられて今日まで続けてきました。

私は、街頭遊説は政治家の基本であると思っています。それは、自分の言葉で自分の価値観や思いを語る訓練の場であると思っています。したがってその場では誰も聞いていなくても、いずれ思いは通じる自分自身を鍛えているんだ、そういう気持ちで毎朝頑張ってきました。今回そうした思いをまとめ一冊の本に致しました。朝の時間はお忙しいでしょうから私の演説を聞く時間もないと思いますが、お時間の取れます時に是非ともこの本を読んでいただきたいと思うのです。この本は実は去年の秋には、原稿もまとまり上がっていたのですが、出版をするということで大変苦労してまいりました。つまり、原稿があれば本を印刷することは出来るのですが、これを書店に並べていただくこのことがなかなか出来ないのです。しかし、今回色々な方のご支援のお陰で、全国の書店で取り扱っていただける態勢をとることができました。店頭に本が置いてなくても必ず取り次いでくれるはずです。是非ご近所の本屋さんに注文に行っていただきたいと思います。

3.昌友塾の充実

昨年から、本の出版に合わせて、私の政治的なものの考え方を、単にこちらから一方的に話すのではなく、お互いの意見を出し合い皆様方とどんどん議論していく新しいタイプの討論会を、昌友塾と名付け活動を始めてまいりました。原則として、毎月第3火曜日に六孫王会館で午後7時から9時までの間、開催する予定となっています。毎回テーマを決めて、政治にかかわる問題、教育にかかわる問題等、色々なジャンルについて、皆様方と討論を重ねていきたいと思っています。
 政治の基本は、国民一人ひとりが、政治にかかわる問題を自分たちの問題だとして捉え、考えていくことです。その延長線上に我われ議員があるのだと思っております。私が政治活動していくためにも、皆様方との議論や討論にその出発点があるべきだと思っています。今年はこの昌友塾の輪をもっともっと広げて、たくさんの方に参加していただき、その議論の輪が広がることを期待しております。是非ともご参加いただきますようにお願い申し上げます。

4.政治に言葉を取り戻す

 私は、今年こそ景気が回復して日本経済に活力を取り戻さねばならない、またそのために、私も全力を尽くさなければならないと思っております。私は、経済はちょうど一年前が一番危機的な状態であったと思っております。しかしこれも公的資金の投入や信用保証協会の保証枠の拡大により、一時のパニック的な状況は脱出したと思います。おそらく本年中には、景気回復の兆しが現れてくるものと確信しております。
 こうした目の前にある景気問題も大切ですが、もっと大きな問題も日本には山積みしています。今まで、日本は欧米列強に、特にアメリカに追いつけ追い越せということを主眼に国づくりをしてきました。しかしこれはバブル経済前にすでに達成をしていたのです。バブル経済の崩壊は、ある意味で急激な経済発展をしてきたことの調整局面と言うことも出来ます。いずれに致しましても、この景気が回復する事によって物質的豊かさばかりに主眼を置いた国づくりは、その役目を終えることになるはずです。
 それでは、これから一体日本の国づくりは、どうするべきなのでしょうか。「いやいや、まだまだ日本は遅れている。アメリカのように規制緩和を行って、情報化時代に対応し、産業の最先端を行く国づくりをしなければならない」等々。相変わらずアメリカに見習うことを主眼とした議論がされています。しかし、私はもうこのあたりで方向修正をすべきだと考えております。戦後、アメリカ化の流れの中で日本の価値観、文化伝統など、日本人が日本人であるための根本的なものを、次々に喪失してきました。物質的な豊かさと引き換えに、こうしたものを次々に犠牲にしてきたのです。その結果もたらされたものは幸福感ではなく、なんとも言えない喪失感、閉塞感ではないでしょうか。未曾有の不況ではあるものの、史上最も豊かな時代を送り、消費不況が叫ばれていても、買いたいものが何も無い。こうした現代の状況は、まさに日本人の喪失感、閉塞感がもたらしたものです。そして、この原因が、日本人にとっての「しあわせ」とは一体何かという根本的なことをまともに考えることなしに、いたずらに社会をアメリカ化してきたためであるのは言を待ちません。
 日本人のしあわせを守ることが、我われ日本の政治家の使命です。そうであるならば、今一度、日本人にとってのしあわせは一体何なのか。この原点に戻るべきではないでしょうか。そしてそれは、物質的豊かさをしあわせの一番の条件と考え、社会をアメリカ化させることに夢中になったために忘れ去られた言葉を、取り戻すことに通ずるのではないでしょうか。例えばそれは、自由という言葉の影で忘れられた「節度」や「道」であったり、権利義務に対しては、「徳を積む」「正気を養う」であったり、どれも日本人が昔から大切にしてきた言葉なのです。そしてそれは、今でも我われが無意識のうちに行動の基準とする言葉です。こうした言葉をもう一度正面から捉えて、あるべき日本人像を語ることが、これからの政治に一番必要なことであると思うのです。

第一回昌友塾に参加して
昌友会会長 秋田公司

 11月17日、午後7:00より六孫会館で行われた、第一回昌友塾に参加しました。今回出版される「政論」(保守の原点を問う)を軸にして、その内容をもっと多くの人達と話し合い、意見を交わし、みんなで行動しようと、昌友編集委員長が企画したものです。ご夫婦、友人同志の方々など、誘い合せのうえ約30名の出席者があり、熱気のある討論会となりました。前半は、西田府議のお話で、現代社会が、かかえる様々な問題を提起、そのことを踏まえどう生きれば、幸せにかつ、すばらしい人生を送ることができるのか、という内容でした。参加者のなかに「なにか新しい生きる価値観を発見したように思えました。」と言っていただける方もいらっしゃいました。また後半は、討議形式で、参加者の方々より発言していただき、私達の周りの様々な問題を具体的に取り上げ、西田府議を中心に、全員で、熱っぽく情報交換をしました。なかでも大変印象深かったのが、「今日我が国が抱える問題に対し、マスコミや、人々は、あまりにも批判、評論ばかりで、自分達でこう取り組もう、行動して国や地域に積極的に貢献しようという活動が見えてこない。」という府議の話でした。ぜひ昌友塾を通じ共通した熱い思いで、たくさんの仲間とともに、この国や地域に貢献できる活動の輪を広げてゆきたいと思っております。ぜひご参加ください。


■開催予定日のご案内 1月19日、3月16日、4月20日
  六孫会館にて、午後7:00より9:00

瓦の独り言
羅城門の瓦

シルクよ永遠なれ(シルクルネッサンス)

 安い輸入生糸や和装需要の低迷で、大幅に生産を減少した国内の繭と生糸。戦前まで日本の基幹産業だった養蚕業は厳しい状況に追い込まれています。その中で「シルクよ再び」を合い言葉に、国内の養蚕産地では生き残りに懸命です。
 なかでも、「伊予カメリア」の名前で皇室の衣冠束帯(最近では皇太子ご成婚の際、雅子様がお召しになった十二ひとえに使われた)や伊勢神宮の御料糸に用いられていた生糸を生産していた愛知県・野村町がシルク博物館を建て、町をあげて絹文化復興(シルクルネッサンス)に積極的に取り組んでいます。
 「シルクとミルクのまち」をキャッチフレーズに農業を中心に発展していった町で、最盛期の1970年代には西日本最大の製糸工場を持っていました。しかし、繭価格の低迷、就労者の高齢化、後継者不足などにより、養蚕、製糸ともに衰退の道をたどり、平成2年には養蚕農家個数、生糸生産高も最盛期の1/5になり、平成6年4月ついに製糸工場の廃業となりました。養蚕農家数は製糸工場の廃業を期に急激に減少し、町では基幹産業である養蚕を何とかしなければ、養蚕・製糸業を歴史として後世に正しく伝えなければ、といった気運が起こってきました。絹の消費量は増えているのに、国内の養蚕は消滅しようとしており、養蚕は割りの合う産業で無くなってきました。しかし野村町は養蚕で生きてきた町で、まだ養蚕農家は残っており、養蚕が好きだといっています。「養蚕農家を守れないようでは、他の産業も守れない」といった気概が、これら養蚕農家の応援と、指導者を招いて繭づくりから、製糸、糸染め、製織までの一貫生産をおこなうシステムを作り上げ、野村町でしか作れない生糸で日本の断絶した絹文化を復活させたい。このような思いでシルク博物館などの施設が建設されました。

 さて、秦氏が6世紀に渡来し、養蚕の技術を伝えた京都はどうなのでしょうか。西陣、丹後といった和装絹産地、室町という和装の日本最大の集散地を抱えていながら余りにも無為無策ではないでしょうか。絹を西陣、丹後の産地の為のものと考えるのではなく、茶道、華道、表装具など日本文化のさまざまな分野の重要な役割を持っていることに気が付いてもらいたいのです。
現状の施策では日本の養蚕・製糸が無くなってしまう危機に直面しています。特に京都は絹を用いた日本の伝統文化を継承、発展させていく責任があるのです。現在の農林水産省の方針では、日本に生糸生産がなくなっても中国他の海外の生糸を安く輸入する事が可能であるから、織物をはじめとする絹業界は日本に存続すると考えています。日本文化の根幹に重要な位置を占める絹を外国からの輸入施策に頼るのは非常に危険な事ではないでしょうか。日本独自の文化の為に、日本独自の生糸が必要です。フランスでは文化省がゴブラン織を残し、フランス文化を継承する為に、ジュネーブ郊外に小規模ではありますが、養蚕・製糸を保存しています。日本文化の中心地である京都において養蚕・製糸を存続させる事は責務ではないでしょうか。幸いな事に綾部には京都府養蚕センターがあります。ここを日本文化の生糸の生産拠点と位置付け、フランスがジュネーブ郊外に養蚕・製糸を存続させているようにすればどうでしょうか。火種さえ残しておけば、経済状況の変化により養蚕・製糸を復活する事は可能ですが、一度その火を消してしまうと復活はほとんど絶望的です。今なら、京都府養蚕センターに明治以来日本が形作ってきた製糸の技術を継承している人達がいると聞いています。

明けましておめでとうございます。
参議院議員 西 田 吉 宏

 皆様にはお揃いで元気に新しい年をお迎えの事とお慶び申し上げます。
 私も皆様の力強いご支援に支えられて、昨年に引き続き参議院議院運営委員会筆頭理事として、極めて元気で国会活動を続けております。
 ところで政治は、経済・外交・防衛など多くの課題を抱えておりますが、現下の最重要課題は何といっても金融システムを早期に安定させ、経済の再生を図ることです。長引く景気の低迷は国民生活に少なからず不安と閉塞感を与えております。特に中小企業や自営業者などの生活を守り、雇用不安を解消する即効性のある政策の実行が緊急課題であり、政府はさきの第143、144臨時国会において相次いで緊急経済対策を盛り込んだ大型補正予算を成立させ、景気の早期回復のためにあらゆる努力を傾注しているところでございます。
 また今後は、21世紀の長寿社会へ向けて、福祉の充実とこれに伴う国民負担の在り方等も早急に検討しなければならない問題であります。そのためには、国においても地方自治体においても政治の安定が急務であります。
 今年は統一地方選挙の年でもあります。私も微力ではありますが、京都府・市並びに西田昌司府会議員とも協力しながら、住民に信頼される政治、ゆとりと潤いのある住民生活を実現できる安定した政治情勢の実現に懸命の努力をしたいと決意しております。是非皆様のご理解とご協力をお願い申し上げます。「ウサギ」の年です、お互いに希望を持って大いに跳ねて、不況の山も谷も飛び越えるよう頑張りましょう。皆様の限りないご健勝ご多幸をお祈り申し上げます。

待望! !『政論』(保守の原点を問う)出版

自照社出版 1,200円 平成11年1月10日発売

自由民主党全国青年議員連盟会長
京都府議会議員 西 田 昌 司 著

「朝まで生テレビ」でお馴染の評論家西部 邁氏 絶賛!

政治・経済・社会の不安な現代を、守るべき日本の家族像を通して鮮明に解き明かす警鐘と同時に希望を読者に伝える待望の書

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