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第38号

2004年01月01日発行

政界プロジェクトX

西田昌司

プロジェクトXというNHKのテレビ番組は皆さんもよくご覧になると思います。今日の日本の社会を築いてきた、名も無き人々の懸命な生き様にスポットライトを当てた素晴らしい番組で私もいつも楽しみにしています。その中でも今まで歴代ナンバーワンの人気を誇っているのが、伏見工業高校のラグビー部の物語です。皆さんの中にもこの番組を見られた方も大勢いらっしゃると思いますが、改めてそのあらすじを紹介致します。

 窓ガラスは割れ、学校の廊下にオートバイが走る。生徒は授業を平気で抜け出し、先生はそれを見て見ぬふり。とても教育を行う環境ではない、そんな荒れ果てた学校に赴任した元全日本代表の若きラガーマン。それが山口良治先生だったのです。赴任早々ラグビー部の監督になり、一生懸命生徒の指導を行うのですが、彼らはそれに全く反応しません。当時京都ナンバーワンで、全国にその名の知れた花園高校との練習試合ではなんと112対0で、大敗をしてしまいます。しかし、生徒はそれにも無気力で、「相手が強すぎるんだから仕方が無い。」「自分たちとはレベルが違う」とまったく反省する気も無い状態でした。その時、山口先生は、「お前ら、悔しくないのか。相手も同じ高校生やぞ。こんな負け方をして本当に悔しくないのか。」と涙を流しながら生徒ひとりひとりに必死に問いかけたのです。すると、ついに今まで悪ぶっていた生徒たちが先生の涙に感動して、「先生、俺は悔しい!」「おれも悔しい!」「勝ちたい!強くなりたい!」「俺達にラグビーを教えてください!」と次々に泣き出したのです。この姿を見て先生は、「こいつらはモノになる。」と確信されたそうです。その後、厳しい練習を乗り越え、伏見工業高校は宿敵花園高校を破り、終に念願の日本一になったことは皆さんご存知のとおりです。

山口先生のラグビーに対する情熱と生徒に対する愛情がこの奇跡の物語を作り出したのです。しかし、その奇跡を起こすために実際したことは、地道な練習の積み重ねでしかありません。必ず勝つと信じて、毎日毎日同じ練習を繰り返し行い、その結果が偉大な奇跡を起こしたのです。
 しかし、これは頭で分かっていても、誰にでも実行出来るものではありません。そもそも、一介の名もなき学校が日本一になるなんて、誰が想像出来るでしょう。それを可能にしたのは、生徒達の「このままでは情けない、悔しい」という発憤によるエネルギーなのです。不可能を可能にするために特別なものは何もいらないのです。ただひたすら、当たり前のことを繰り返し行うこと以外ないのです。ただそれを実行するには、自分の心のスイッチをオンにすることが必要なのです。伏見工高の場合には、花園に大敗したことがそのきっかけとなったということです。

ところで、今一番の政治課題は、イラクへの自衛隊の派遣の是非でしょう。この問題を政府は、国際貢献という名の下に実施しようとしています。しかしその本音には、アメリカに日本は守ってもらっている、だから、アメリカに協力することが日本の国益なのだという打算的発想があるのは間違いありません。確かに日米同盟は重要です。しかし、もっと重要なのは、自分達で祖国を守るという気概ではないでしょうか。今の日本にそれがあるのでしょうか。それがあれば、きっと別の選択をしたはずです。日本に自国を守るという気概がないから、対米関係に対する配慮が全てに優先し、それが今日の日本の根本的問題になっているのです。自衛隊の派遣だけではなく、経済や雇用から家庭や福祉、教育に至るまであらゆる問題の根底にあるのが、アメリカに対する卑屈さからくる問題です。このことは、戦後社会を率直に振り返って考えれば誰にも分かる話です。しかし、誰もそれを何とかしようと思ってこなかったのです。そもそも、アメリカに大敗し、占領されてきたという歴史さえ知らない人も最近ではいるようですが、それを知っていても同じことです。結局、アメリカは世界最強の超大国、誰も逆らえないし、そんなことを考えても到底出来ないことと諦めてしまうからです。

しかし、この気概の欠如こそ、日本の最大の課題であり、根本的問題なのです。伏見工高ラグビー部は、山口先生の言葉によってみんながそれに気づき、そしてその悔しさの中から地道な努力を継続して行うことによって奇跡を成し遂げたのです。

政治の世界に今最も必要なのは、この日本の現状を悔しい情けないと認識し、そこから立ち上がっていこうとする気概であり、そのための努力を継続することではないでしょうか。半世紀以上の間、日本はこの問題に目をそむけ、目先の生活ばかりに気を取られて生きてきました。その結果、日本は世界一の長寿で豊かな国になりました。しかしその一方で、世界一気概の無い、負け犬根性の染み付いた国になってしまったのではないでしょうか。我々が今しなければならないのは、この情けない現実から立ち上がり、たとえ半世紀かかろうとも、必ず日本をもう一度正気の充満した世界に誇れる国にするのだと決意することです。そしてそのための努力を、子や孫の代になろうともしつづけるのだと覚悟することなのです。

 これは、途方も無い話かもしれません。しかし、名も無き人々の努力の積み重ねが政治を変える、まさにこれこそ政治の世界に必要な「プロジェクトX」なのです。私は、この「政界プロジェクトX」を成し遂げるために全力で頑張ります。本年もご支援をよろしくお願い致します。

『京都発言者塾』(仮称)発足を目指して
京都発言者塾(仮称)発足準備事務局長(希望?) 南郷 良太

新年あけましておめでとうございます。本年も皆様にとりましてさらに良き年となりますよう心よりお祈り申し上げます。

 このたび、古都京都発の国民運動の主体となる「京都発言者塾」(仮称)の発足の準備を、西田昌司議員が中心となって進められています。「発言者」塾は、救国誌「発言者」の実践の場として東京で評論家の西部邁先生が主宰されていますが、以前から西田議員が「暖簾分け」を受けたいと希望していたものです。設立準備から参画させていただきましたご縁で、大変僭越ながら一言ご挨拶申し上げます。

 昨年は国会や政府において、イラク復興支援の自衛隊派遣を巡る様々な論議が行われていました。そんな中、昨年11月29日ついに我々の最も懸念していた日本人襲撃事件が発生してしまい、同じ日本人である外交官2名の尊い命が奪われるという痛ましい結果をむかえてしまいました。また同じ日に宇宙航空研究開発機構が国産大型ロケットH2Aによる情報収集衛星の打ち上げに失敗するという大失態を起こしました。

 この二つの事件は国際社会が一段と不安定なものとなり米国との強固な同盟関係に起因する脅威のもとに曝されているにもかかわらず国内外の危機管理は一向に進んでいないことを露呈することとなり、我々が大きな岐路に立たされているといっても過言ではないでしょう。

 日本人は50余年前、占領政策による「教化」によって我が国固有の日本精神を始め神話時代から脈々と受け継がれて来た歴史・政治経済体制や伝統文化を自ら放棄しました。魂を売渡したことで得たものが戦後の経済的繁栄そのものであります。結果として「全てのものを金勘定でしか見られない」地球上最も卑しく空虚な精神構造を持つ民族に成り下がろうとしています。このままでは日本民族は滅亡の時を待つのみと考えるのは私だけではないと思います。民族復興への第一歩は「戦後体制の克服」にほかなりません。

 欧米列強が、「五族協和の王道楽土」を基本理念にアジアの真の独立を掲げた一等国日本を脅威として政治的経済的に追い詰めたことや、そのため日本が自存自衛のための大東亜戦争に突入したことは現代の日本人のほとんどが知らない史実となってしまいました。逆に先制攻撃を唯一の根拠として侵略国であるとの烙印を押され、現在教育現場では「自虐史観」に基づく日本民族弱体化計画が着実に進行しています。ちなみに昨今のアフガニスタン戦争・イラク戦争と9・11 自爆テロの一連の米国の言う理屈にアジア人の一人として違和感をもつのは私だけでしょうか?

 戦後体制を克服するにはまず、国民個々の「心の戦後体制」を克服しなければなりません。これは既成政党や既成の組織に決して実現のできない課題で、「草の根の国民運動」による断行によってのみ達成できると考えます。

 京都府を中心に近畿一円から参加者を募り、それぞれの地域での国民運動を主導していただくことのできる人材育成のために積極的に活動を展開する予定でございます。皆様の更なるご指導ご支援を賜りますよう、宜しくお願い申し上げます。

謹んで新春のお祝いを申し上げます
参議院 自由民主党国会対策委員長
参議院議員 西 田 吉 宏

 皆様には、おそろいで新春をお迎えのことと心よりお慶び申し上げます。

 日頃皆様方には、温かいご芳情とご支援を賜り、私も昨年6月に突然の病魔に襲われましたが、お陰様で後遺症もなく完全回復し、元気に国会活動を続けております。

 さて、最近の世情は、国の内外を問わず直面する多くの課題が山積しております。参議院自由民主党国会対策委員長として、日夜諸課題の解決に向けて取り組んでおりますが、なお、皆様の「声、思い」を国政へ届ける架け橋となり、信頼される政治と生活の安定の実現に向けて努力して参る決意であります。今後におきましても西田昌司府議会議員共々ご支援ご指導を賜りますようお願い申し上げます。

 結びに、皆様方の一層のご健勝とご多幸を祈念申し上げまして、新年のご挨拶と致します。

瓦の独り言
羅城門の瓦
  「US版・武士道」の逆輸入

 京都市が肝いりで製作に荷担した,映画「ラスト・サムライ」が人気を集めています。二条城の紹介,京都の紹介,日本の紹介,果ては「武士道」の紹介になっています。この「武士道」は,軍国主義につながる危険な思想と勘違いしている方々も居られますが,信義,名誉,廉恥を重んじ,絶対に他人を裏切らない心を持った日本人の本来の精神だと思います。

 今,海外では「武士道」をあつかった出版物があらゆる言語で各国からでており,この映画が拍車をかけているようです。かって,黒船でペリーが来たときも「武士道」を探していたようです。5千円札の新渡戸稲造の「武士道」は明治時代に最初に米国で出版された本です。近年ではベネディクトの「菊と刀」がベストセラーになっています。

 どうも日本人は自国の精神である「武士道」を海外からの逆輸入によって,やっと気が付いているようです。さて,今年は「甲申(こうしん・きのえさる)」の年で,猿にちなんだ鎌倉時代からの諺「みざる・いわざる・きかざる」が在りますが,反対に「しっかり見・言い・聞き」して日本の「武士道」を逆輸入ではなく,足元から見直してみたいと瓦は思っておりますが,皆様も如何なものでしょうか。(もう一度,映画を見てこよう~)

新人挨拶

新年あけましておめでとうございます。
この度、西田事務所でお世話になることになりました柿本大輔と申します。
 数年前より、西田先生の主宰する「昌友塾」に参加させていただいて以来、西田先生の保守の立場からの国家観、歴史観に今の日本人が失ってしまった侍の心意気を感じ、是非ともお傍で勉強させていただきたいと思っておりましたところ、この様な機会をいただきました。 
 社会経験のない若輩者なので、皆様には大変ご迷惑をおかけする事と思いますが、なにとぞご指導ご鞭撻のほど宜しくお願い致します。
柿本大輔

退任挨拶

新年明けましておめでとうございます。
 さて、私こと、この度新たな進路へ向かうため、西田事務所を巣立つこととなりました。
 皆様にお世話になり一年半が過ぎました。この間統一地方選挙を始め、各種後援会のイベントや会合、そしてこの「show you」の発行等々、皆様には多大なるご協力とご指導を頂きました。お陰様で今日まで何とかやってくることが出来ました。
 大学を卒業して初めての社会経験であったこともあり、沢山の失敗を致しました。その都度皆様にはご心配とご迷惑をおかけしたにもかかわらず、叱咤激励して頂きました。この一年半で大変貴重な経験をさせて頂いたと心から感謝致しております。
 今後は私よりも若い柿本君がお世話になることになりますが、私と同様によろしくお願い申し上げます。お世話になりました皆様、本当にありがとうございました。
岡野 貴繁

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