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第51号

2007年05月15日発行

参議院選挙の争点は何か

参議院選挙区支部長西田昌司

統一地方選挙から見えてくるもの

去る4月に施行された統一地方選挙では、私の後継者秋田公司さんをはじめ、大勢の同志の方々が議席を獲得することができました。大きなご支援を賜ったことに心より御礼申し上げます。しかし、その選挙結果は、必ずしも順風満帆というものではなく、予想外な方が落選され、大事な議席を失ってしまったものもいくつかありました。その一方で民主党は議席を増やし、共産党も地力を見せつけるものでありました。京都では、自民党とともにこれらの政党の勢力が、非常に拮抗していることを改めて思い知らされた気がいたします。

何故、民主党が躍進したのか

今回の選挙では、民主党が躍進したと云われています。確かにその通りですが、これは今回に限ったことではなく、以前から民主党が自民党と肩を並べる力を有していたと、私は考えています。現に府内選出の国会議員の数では既に同数になっているのです。むしろ、国政選挙に地方選挙の結果も近づいてきたということでしょう。地方選挙で自民党が強かったのは、民主党が若い政党ということもあり、地方議員にまで候補者を揃えることが出来なかったためであり、候補者が出そろってきたところでは、着実に議席を増やすことに成功したということでしょう。

有権者は民主党の何を支持したのか

民主党はマニフェストなのでも様々なこと主張していますが、その多くは、自民党の候補者のものと大差があるようには思われません。結局のところ、彼らの目的は政権交代であり、自民党に代われる政権政党ということが一番の売りであるし、それが彼らの立党の精神でしょう。有権者も、その政策と云うより、自民党に代われる政党がある方が日本の社会にとって健全なのだという理由で投票された方が多かったのではないかと云う気がします。そういう意味では争点なき選挙であったのかも知れません。

自民党の立党の精神は何か

では、自民党の立党の精神は何だったのでしょうか。それは、第一に戦後の貧困を克服することであり、第二に絶対に共産主義や社会主義から国民を守ることであり、第三に憲法をはじめとする戦後体制からの脱却であったと、私は思っています。このうち前二者は既にその目的が果たされ、残るのは戦後体制からの脱却であったはずなのです。ところが、この問題は、自民党の立党以来の悲願でありながら、日の目を見ることがありませんでした。長い間、憲法改正ということ自体が国民の中でタブー視されてきたこともあり、経済成長と反共という当面の課題ばかりにとらわれて、自民党自身もこの問題に封印をしてきたのです。

戦後レジームからの脱却

最近、安倍総理が「戦後レジーム」からの脱却という言葉をよく使われます。そして、それが参議院選挙の争点あるとも言われています。レジームとは制度や政体という意味ですが、これは正に、私がこのshowyouの中でも訴え続けてきた「戦後体制」からの脱却という言葉と同じ意味であろうと思います。 

戦後体制とは何か

それを一言で言えば、日本はいまだに戦後の占領時代に出来た法律や制度、ものの考え方に縛られていると言うことです。そうであるにも拘わらず、殆どの国民がそのことを知らないと言うことです。つまり、国民が意識していない内に占領体制が続けられているということです。
その象徴が憲法です。かつては、改憲などは全くのタブーでありましたが、最近では改憲を支持する国民が五割を超えるとの報道もあります。またそのことを反映して、憲法改正の手続きを明確にするために国民投票法も議論され、今国会には成立をするようです。国民の意識が変わってきたことは事実です。しかし、私は、憲法の問題点が国民にきちんと示されているとは思いません。
かつては、憲法上は軍事力の放棄を明言しているのにもかかわらず、自衛隊が存在するのは問題であるというのが一般の論調でした。それが今や、北朝鮮や中国の脅威など国際情勢の現実を考えれば自衛のための軍隊を保持するのは常識で、それを憲法上明確にすべきだという風に様変わりしています。国民の意識のこうした変化は歓迎すべきことではあります。しかし、では何故、憲法と自衛隊という矛盾が存在するのかという根本的なことは何一つ論じられていません。私は、たとえ憲法を改正したとしてもここを述べなければ、全く意味がないし、戦後体制からの脱却は出来ないと考えています。

憲法や自衛隊は誰が作ったのか

 Showyou紙上で何度も述べてきましたように、憲法も自衛隊もともに占領中の主権のない時代にアメリカの命を受けて作られたものです。憲法と自衛隊との矛盾はアメリカの占領政策の矛盾を示すものです。占領前期は共産主義を容認し、日本の非軍事化を目指しながら、朝鮮戦争により共産主義の脅威を知り、日本に再軍備を命ずるというアメリカの占領政策の矛盾が、今日の日本で憲法問題といわれているものの原因なのです。日本人に主権のない占領時代はいざ知らず、それが終わった今日までも続いてきたこと、さらにはこうした事実が国民の前に示されていないことが根本的な問題なのです。つまり、いまだに占領体制が続いているのです。

憲法の問題点は自衛隊だけではない

府議会議員の時代から、私はこの憲法をはじめとする戦後体制の問題を常に訴えてきました。それは、安全保障の問題だけでなく、教育や子育て福祉といった身近な問題も、根本的な考え方はすべて憲法に起因するからなのです。
教育や子育てや福祉の問題は、日本人の家庭観と密接な関係があります。健全な家庭の存在があっての教育政策であり、子育て支援であり、福祉政策なのです。問題はその家庭の姿が戦後急速に変化をしてしまい、崩壊の危機にあるということです。例えば、サザエさんやちびまる子ちゃんもかつてはどこにもあった家庭の姿です。今やあのような大家族は、都会では殆ど見られなくなりました。あのアニメが長寿番組となっているのは、国民の多くがそこに郷愁と安らぎを感じるからです。多くの国民が、幸せのかたちをそこに感じていると言うことでしょう。

家庭の崩壊と憲法との関係

ところが現実の社会では、家庭が崩壊し、殺伐とした事件が報じられています。家庭の崩壊を放置したままでは、教育も子育ても福祉もあり得ないのです。では何故、これほどまでに家庭が崩壊したのでしょうか。その原因はいろいろありますが、少なくとも、日本人の原風景である大家族や家制度を崩壊させた原因が憲法にあるのは間違いありません。第24条には「婚姻は、両性の合意のみに基いて成立し、夫婦が同等の権利を有することを基本として、相互の協力により、維持されなければならない。」また、その第二項において「配偶者の選択、財産権、相続、住居の選定、離婚並びに婚姻及び家族に関するその他の事項に関しては、法律は、個人の尊厳と両性の本質的平等に立脚して制定されなければならない。」と書かれています。
 ここに書かれているのは、婚姻に必要なものは個人の尊厳と両性の平等だけで、それ以外は認めないということです。このどこにも家族の姿は出てこないのです。憲法を作ったアメリカ人には、日本の家制度は封建的で解放されるべきだと思っていたからなのです。
勿論、家族の姿は時代によって変わるものです。昔からのものがすべて正しいと言う気はありません。しかし、少なくとも他民族によって家庭はこうあるべきだなどと言われる筋合いは全くないのです。問題はこのことを国民の誰も意識をしないままに、その縛りの中で生活をし、もがき苦しんでいる人がたくさんいると言うことです。
 日本人の幸せのかたちは日本人が自ら作るものであり、他国により作られるものではないのです。そのためには憲法による縛りを超えなければならないのです。

政治家の使命

国を守り、国民を幸せにするのが政治家の使命だと私は思います。国を守ることを放棄し、国民の幸せのかたちまで他国に依存していては、日本に政治は存在しないということになります。そうならないために私は頑張りたいのです。



府議会議員当選にあたり
京都府議会議員
秋田 公司

このたび皆様の大きなお支えをいただきまして、府議会議員として活動させていただくことができるようになりました。自らの主張、思いを皆様に分かっていただこうと、早くからたくさんの方々とお出会いさせていただき、毎日毎日訴えをさせていただいてまいりました。選挙を通じ、それまでにも増して多くの方々に耳を傾けいただき、ふるさとを愛し、この街を良くしたいと思う私の思いを分かっていただくことができたのではないかと思っております。
 当初は、昭和46年に西田吉宏参議院議員が府議会に初当選以来、30有余年にわたり守ってこられたこの南区の地盤を西田昌司府議の後継として受け継ぐという重責に、身の引き締まる思いと何とも言えない不安で一杯でした。しかし、今では「この街と人がすき」という私自身の思いを皆様に分かっていただき、共感をいただいたことを確信いたしております。
 選挙期間中は、より良い地域をつくりはどうあるべきかを訴えてまいりました。地域を自らが進んで盛り立てて行こうとする人々の力を集めるための仕組み(プラットフォーム)つくりを推進することをお約束いたしました。
 この仕組みをどのように創っていくかについても多くに方々の知恵を結集して取組まなければならないと思っております。今まで中小企業経営者として、中小企業同士が高め合い支え合いながら、地域に根ざした産業の創出を実践してきましたが、今後は、これらの経験を活かして、地域社会を活性化できる新たな仕組みづくりにチャレンジしてまいります。
 人々が自分たちの能力を発揮し、生き生きと暮らせる社会づくりを進めるためには、産業振興、福祉、教育などさまざまな課題があります。
 これからは、自らが先頭に立って、多くの皆さんの声に耳を傾け、やってくれるのを待つのではなく、自らが始めようとする人たちと共に、より良い地域社会づくりはどうあるべきかを皆様とともに真剣に考え、活動してまいる所存でございます。

 どうか、皆様のご指導、ご鞭撻をよろしくお願い申し上げます。

統一選挙を振り返って

南区西田後援会
会長 米田忠雄


この度の統一地方選挙は、西田昌司府会議員の後継として秋田公司君が出馬し、私も事務長として9日間を共に全力をつくして参りました。
 西田吉宏議員から昌司議員と10期37年にわたり後援会として守ってきた南区の府議席を、秋田公司君に無事に継承できましたことは、ひとえに皆様の力強いご支援があってこそでございます。
 今回ご支持頂きました九千二百人余りの方々に心から感謝申し上げますとともに、秋田公司君が地域住民の方々に耳を傾け、謙虚な気持ちで、南区を始め、京都府発展のため、がんばって頂くことを心から念願いたしております。

樋のひと雫

羅城門の樋

-ボリビア通信-
統一地方選挙も終わり、新たな政治地図が誕生しました。このボリビアも地方選挙で熱く燃えていますと書ければよいのでしょうが、そうは上手く行きません。1昨年大統領選と同時に地方選挙も行なわれました。現在ボリビアでは建国以来、初めて先住民出身の大統領が政治を行なっています。彼の政策の基盤は「脱植民地化」であり、経済政策では地下資源関係企業の国営化に乗り出しました。そして、ベネズエラのチャペス・キューバのカストロ・ボリビアのエボと言えばラテンアメリカの社会主義3羽烏のように言われています。
 しかし,生活をしていると「社会主義」という物堅さや息苦しさは現在のところ感じません。むしろアンデス民族の文化の復興のような躍動感が感じられます。思えば、「スペインからの独立」といっても先住民にとっては経済の仕組みは何も変わりはしませんでした。独立の恩恵を受けたのは少数の白人支配層(植民地貴族やプランテーションの大農場主)であり、彼らと先住民との間の隷属関係は依然残されたままでした。欧米が工業化社会へと変身し都市労働者の権利拡大と民主化が進んでも、工業資源の原産輸出国という位置づけが変わらなかった南米では「大農場主と農奴」や「鉱山主と隷属的鉱夫」という関係は、白人支配層と先住民族という歴史的背景の中で生き続けてきたと言えます。
 フェデル・カストロがバティスタ政権を武力で倒した1ヵ月後、初めて外遊した国はアメリカでした。当時、アメリカ資本のプランテーションを接収し、農地解放を行なったフェデルを「コミュニスト(共産主義者)」として拒絶し、追い返したのもアメリカでした。その後、彼は革命を守るためにソ連に近づきますが、ボリビアの資源国有化を「社会主義」の再来のように受け止めるのもどうかと思います。日本のマスコミが中南米を「左傾化」として捉え、「社会主義の復活」かのように論調しているのもどうかと思います。確かに、白人国家のチリにも社会主義を標榜する政権でき、ニカラグアにも旧サンディニスタが復権しました。しかし、このいずれもが昔のマルクス・レーニン主義の復活を画しているかとなると疑問です。
 多くの国と国民がアメリカの「裏庭経済」から脱しようと意図していることは事実でしょう。その一つがベネズエラのチャベスに代表されるようなブッシュに対する「悪態」でしょう。国連総会でチャベスがブッシュを「アホ馬鹿」呼ばわりをすれば、ベネズエラの外務大臣をニューヨークの空港で手荷物検査に託けて、長時間拘束し飛行機に乗れなくするなど、どうも子どもの喧嘩と様相が似ています。いくらアンデス文化の象徴だと言っても、コカ栽培の自由化もアメリカの政策に「楯を付く」以外のものではなさそうです。(尤も、エボ大統領はコカ栽培農家の代表ですので、ゼロ政策は出来ないでしょう。彼が大統領になってから、空港での手荷物検査が厳しくなりました。)
 中南米が名実共にアメリカの「裏庭」から脱するには、経済の自律と国の繁栄は欠かせません。この一つの通過点が「左傾化という名の国の独立」かもしれません。国の発展は一つの道筋だけではないのでしょう。4年後の大統領選が今から楽しみなのは,私一人ではないでしょう。




昌友塾
第91回6月12日(火)
会場:六孫王会館
時間:PM7:00~9:00

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第2号(1995/01/01) 謹賀新年

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